相談に来ない学生をどう支援する?見えないニーズの拾い方

業界研究
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こんにちは、ここあです。

大学職員として働いていると、「この学生、明らかに何か困っているはずなのに、全然相談に来ないな……」と思うことがありませんか?「困ったら相談してね」と伝えているのに、ギリギリまで何も言わずに急に問題が発覚する学生もいれば、結局何も話せないまま退学してしまうケースもあります。
では、そうした“相談に来ない学生”をどう支援すればいいのか? 彼らの見えないニーズをどう拾えばいいのか?今回は、大学職員としてできる具体的な方法を考えてみたいと思います。

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まず、なぜ学生は相談に来ないのでしょうか? いくつかのパターンが考えられます。

何を相談すればいいのか分からない

例えば、「授業についていけない」と感じていても、「どこが分からないのか分からない」という学生は少なくありません。「単位がヤバい気がするけど、そもそも何をどう相談すればいいのか……」と悩んでいるうちに、時間だけが過ぎてしまうのです。

また、大学の制度や支援の仕組みを知らないために、「こんなことを相談しても意味がないのでは?」と思い込んでしまう学生もいます。特に1年生や編入生は、大学のサポート体制に不慣れなため、自分の悩みに適した窓口がどこにあるのかすら分からないことも多いです。

相談するのが恥ずかしい・面倒くさい

「こんなこと聞いてもいいのかな?」「バカだと思われるんじゃないか?」と不安に思う学生もいます。特に、完璧主義の傾向がある学生や、プライドが高い学生ほど、失敗や困りごとを他人に知られることを嫌がる傾向があります。

また、そもそも対面で人と話すこと自体が億劫なタイプの学生もいます。特にコロナ禍以降、オンラインでのコミュニケーションが一般的になり、対面での相談に抵抗を感じる学生も増えました。メールやチャットで済むならまだしも、「わざわざ窓口に行くのは気が引ける」と感じてしまうのです。

そもそも職員に相談できるとは思っていない

「大学の事務職員=事務手続きをする人」と思っている学生は、大学生活全般の相談に乗ってもらえるとは考えていません。特に、1年生や地方出身の学生には、職員に対する距離感を感じている人が多いです。大学によっては「相談できる職員」と「事務手続きを担当する職員」が明確に分かれていないこともあり、学生自身が「この人に相談していいのか分からない」という状況になってしまうこともあります。

プライベートな問題を話しにくい

家庭の事情や精神的な悩み、経済的な不安など、デリケートな問題ほど相談しづらいものです。特に経済的な問題は、奨学金やアルバイトでなんとかしようと考える学生が多く、ギリギリまで職員には話さない傾向があります。

さらに、精神的な問題を抱えている学生は、「自分の悩みを話しても迷惑をかけるだけ」と考えてしまいがちです。特に、孤立している学生や内向的な学生は、「誰にも話さないまま」状況が悪化していくことが少なくありません。

では、こうした学生のニーズをどのように拾えばいいのでしょうか? いくつかの方法を紹介します。

授業やゼミ、サークル経由での情報収集

教員や先輩学生は、職員よりも学生と近い距離にいることが多いです。特にゼミやサークルの先輩は、後輩の悩みに気づきやすい立場にあります。 「最近、あの子ちょっと元気ないよね?」という声が聞こえたら、こちらからさりげなくアプローチしてみるのも一つの手です。また、教員と定期的に情報交換をすることで、学業面での変化にも気づきやすくなります。

履修登録や学費納入の遅れを手がかりにする

学費を納められない、履修登録を締切ギリギリまでしない、授業の出席率が低いなど、こうした兆候がある学生は、何かしらの問題を抱えている可能性があります。例えば、学費未納の学生に「納入が遅れていますよ」と連絡する際、「なにか事情があるなら相談してくださいね」と一言添えるだけで、話を聞いてもらいやすくなります。また、奨学金の申請状況も確認し、必要なサポートができるかチェックするのも有効です。

匿名のアンケートを活用する

「困ったら相談に来てね」と伝えるだけでは動かない学生も、匿名アンケートなら本音を書きやすいことがあります。「授業で困っていることは?」「大学生活で不安に思うことは?」「相談しやすい環境とは?」といった簡単なアンケートをオンラインで実施し、その回答から傾向を探るのも有効です。

職員のほうから「なんとなく話しやすい場」を作る

職員室に行くのはハードルが高い。でも、学食やラウンジなら、たまたま顔を合わせることもあります。例えば、「昼休みに職員が学食にいる」「キャンパス内で軽く話せるオープンスペースを作る」といった工夫をするだけで、学生との接点が増えます。また、「相談コーナー」ではなく「雑談スペース」として開放することで、学生が自然に話しやすい雰囲気を作ることもできます。

本日は、相談に来ない学生をどう支援していくかについて考えてみました。

学生支援は一朝一夕で成果が出るものではありませんが、日々の積み重ねが大きな変化を生むこともあります。また、「相談に来ない学生」に対してできることは、実はたくさんあります。大事なのは、「職員のほうから歩み寄ること」と、「相談しやすい環境を作ること」ではないでしょうか。
最終的に、学生が「ここなら話しても大丈夫」と思える環境を整えることが、支援の第一歩になります。一人でも多くの学生が安心して大学生活を送れるよう、職員にしかできないこともきっとあるはずです。

ここあ
ここあ

まずは小さな一歩から、できることを始めてみましょう!

以上、お読みいただきありがとうございました!

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