こんにちは、ここあです。
本日は、Z世代が求める大学サービスについて考えていきます。
Z世代は一般的には1997年から2012年に生まれた層を指すことが多く、現在の大学生の多くがZ世代と言われています。また、Z世代は、グローバルな視点を持ちながらも地域や社会の課題解決に関心を寄せているとされています。例えば、SDGsなどの世界的な課題への意識が高く、単なる知識習得に留まらない「意味のある学び」を追求します。このような世代特性を理解し、大学が提供すべき新しいサービスの形を探ることが求められています。
Z世代のニーズ
Z世代が大学に求めているサービスについて、一般的な考察や日頃の学生対応の経験を踏まえ考えていきます。
自己実現とキャリア形成のための支援
Z世代は「自分だけの学び」をデザインしたいと考える傾向があります。そのため、次のような制度が重要です。
プロジェクトベースの学び
実際に社会課題を解決するプロジェクトに取り組むことで、理論だけでなく実践力を養うカリキュラムが支持されています。例えば、ビジネススクールでのスタートアッププロジェクトや、デザイン学科での地域密着型プロジェクトなどがあります。
AIによる個別学習支援
最新のAI技術を活用して、学生一人ひとりの興味や進捗に応じたカリキュラムを自動生成するツールの導入が進んでいます。例えば、イギリスの一部大学では、学生の履修状況や学習スタイルに基づいて、最適な学習計画を提案するシステムが運用されているようです。
ダブルメジャー制度
大学で複数の異なる専攻分野を同時に主専攻として学ぶことを指します。例えば、心理学とデータサイエンスを組み合わせた学習は、AIを活用したメンタルヘルスの研究などに直結します。また、経済学と環境科学を組み合わせることで、持続可能な社会のための政策提言を目指す学生も増えているようです。
成績評価の多様性
従来のレポート課題の提出や試験結果だけではなく、インターンシップや地域活動での経験が成績に反映される仕組みが重要です。表面的な点数ではなく、形には表れない体験を評価する制度が求められています。
社会貢献を伴う学び
Z世代は、大学教育が社会的意義を持つことを強く求めています。単に教室で学ぶ知識に留まらず、学びが現実の社会課題解決につながる経験を重視しています。この背景には、SDGsの浸透や気候変動、格差問題といった地球規模の課題への高い関心があります。具体的な取り組みとして、社会課題解決型プロジェクト(PBL)が挙げられる他、従来のPBLに加えて、以下のような高度なプロジェクトが注目されています。
地域連携型の実践プログラム
例えば、地方都市の活性化を目的とした観光プラン作成や、過疎地の農業改革プロジェクトに学生が参加するケースが増えています。その他、企業と連携した商品作成や販売なども挙げられます。これらの取り組みは、大学が自治体や企業と連携することで、学生にリアルな社会経験を提供することができます。
グローバルプロジェクト
日本の学生と欧米やアジアの学生がチームを組み、気候変動対策やエネルギー問題に取り組むケースもあるようです。これにより、文化や価値観の違いを乗り越えた協働の重要性を体感できます。
テクノロジーと学びの融合
メタバース技術の進展により、仮想空間での教育が現実味を帯びています。Z世代にとってデジタル環境は馴染み深く、以下のような取り組みが期待されています。
仮想空間でのプロジェクト学習
建築学やデザイン学では、メタバース内で3Dモデルを作成・共有し、リアルタイムで意見交換を行う授業が可能です。また、医療分野では仮想手術シミュレーションを通じて実践的なスキルを学ぶことができるほか、就職活動等も仮想空間上で行う場合もあるようです。
デジタルツインの活用
現実のキャンパスをデジタル空間で再現することで、遠隔地にいる学生も実験室や図書館の利用体験が可能になります。これにより、地域差を超えた平等な教育機会を提供できます。
ポイントシステムとバッジ制度
Z世代はゲーム要素を取り入れた学びに高いモチベーションを感じます。例えば、課題やプロジェクトを達成するごとにポイントを獲得し、累積で特典やバッジを取得できるシステムは、ゲーム感覚で楽しみながら学びに取り組む意欲を高めます。
精神的・心理的なサポート
Z世代は心の健康を重視する傾向、いわゆるウェルビーイングを推進する傾向にあり、大学にもこのニーズに応える取り組みが求められています。
オンライン心理カウンセリング
匿名性を確保しつつ24時間利用可能なチャット形式の相談窓口は、ストレスや悩みを抱える学生の支えとなります。
健康的で文化的なキャンパス環境
学内カフェテリアで栄養バランスの取れたメニューを提供するほか、学内の運動施設を開放することで、心身の健康を支援します。
ピアサポートの充実やメンター制度
同世代の仲間によるサポートは、Z世代にとって特に親しみやすいものです。その中でも、メンター制度など、先輩学生が新入生を支援する取り組みは、学業や生活面での不安を解消しすると言われています。
おわりに
本日は、Z世代が求める大学サービスについて考察しました。
Z世代が求める大学は、個別化・多様性・社会貢献・テクノロジー活用・心理的支援を重視した教育を提供する必要があります。こうしたニーズに応え、学生との対話を重ねながら、大学が成長し続ける姿勢が未来を切り開く鍵となるでしょう。
余談ですが、大学職員はサービス業の側面も強いなと最近感じています。
以上、お読みいただきありがとうございました!