令和5年度私立大学等改革総合支援事業の選定状況が発表されました!

業界研究
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こんにちは、ここあです。

文部科学省HPにて令和5年度「私立大学等改革総合支援事業」の選定状況が公表されました。令和5年度は564校から申請がなされ、そのうち238校が支援対象校として選定されています。選定状況は次のとおりです。

令和5年度改革総合支援事業の選定状況 (mext.go.jp)
令和5年度改革総合支援事業選定状況(総表) (mext.go.jp)

ここあ
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みなさんの大学のお名前はありましたか?

今回は、選定状況とともに公表されている「私立大学等改革総合支援事業委員会 委員長所見」に基づいて、今年度の改革総合支援事業の状況を確認していきます。

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私立大学等改革総合支援業は私立大学等経常費補助金の一種であり、私立大学等が組織的・体系的に取り組む大学改革の基盤充実を図るため、経常費・施設費・設備費を一体として重点的に支援する事業です。平成25年度より始まり、今年度で11年目を迎えています。
一定以上の点数を獲得した大学には、一般補助は「教員経費」「学生経費」の圧縮前額に一定割合(10%程度)を加算、特別補助は回答内容をもとに点数化し、タイプ毎に表形式により増額されます。

2023年度は、次の4タイプにより調査票が構成されています。

タイプ1「『Society5.0』の実現等に向けた特色ある教育の展開」
タイプ2「特色ある高度な研究の展開」
タイプ3「地域社会の発展への貢献」(地域連携型及びプラットフォーム型)
タイプ4「社会実装の推進」

また、実際の調査票は次のとおりです。

このように、大学の取組みが点数化され、獲得点数に基づき補助金額が算出されています。

なお、私立大学等経常費補助金については、こちらをご覧ください。

早速ですが、私立大学等改革総合支援事業委員会委員長所見を抜粋しつつ紹介していきます。

「私⽴⼤学等改⾰総合⽀援事業」の意義

私⽴⼤学等経常費補助⾦の基盤的経費という性質を踏まえれば、外形的・客観的な評価に基づいて補助⾦の配分がなされることが原則であることから、本事業では、教育及び研究の改⾰に資すると考えられる設問項⽬毎の取組状況に応じて得点を定めた調査票をタイプ毎に策定し、当該調査票への各⼤学等の回答を基に、合計得点が⾼いものから選定する⽅式を採っている。なお、各種の設問については、求める取組の⼤枠の⽅向性は維持しつつ、内容の⾼度化を⾏うことなどにより、各⼤学等の継続的な改⾰を促進してきており、⽬指すべき改⾰の⽅向性を⼀覧化して⼤学等に⽰していると⾔える。本事業の開始以降、各⼤学等における改⾰が進捗したことで実施率が⾼くなったことにより設問を削除したものも多くあり(⼤学ポートレートの参加、初年次教育・⼊学前教育の実施、公募による学内研究費の配分等)、これは各⼤学等の改⾰の進捗を表していると⾔えよう。このように基盤的経費としての性質を⼗分に勘案しつつ、改⾰の実施状況を評価し、総合的にメリハリある配分を⾏うという点において、本事業は、各⼤学等における教育及び研究の改⾰を促す上で⼤きな役割を果たしており、今後ともこうした効果が期待される。

選定に当たっての所⾒

全体の申請としては、全私⽴⼤学等の約6割にあたる564校から申請があり、すべてのタイプにおいて、⽐較可能な多くの設問の得点が上昇傾向であることを鑑みると、各⼤学等における改⾰の取組は着実に進捗していると評価できる。⼀⽅で、昨年度からの設問内容の⾒直しや新設した設問については、実施率が低いものもあり、引き続き、各⼤学等の取組に期待したい。

各⼤学等への期待

○ ⼤学等において教育の質を保証しその不断の向上を図ることは、本事業への申請の有無に関わらず重要である。本事業も11年⽬を迎えたところであり、私⽴⼤学等全体として教学改⾰の取組の重要性について、理解が浸透してきたことを鑑みると、今後、本事業に申請する⼤学等においては、教育及び研究⼒の向上にむけた更なる改⾰の進捗が期待される。
○ ⼤学改⾰を円滑かつ効果的に進めるには、具体的な⽬標や⾏動計画を策定した上で、進捗状況のフォローアップを⾏い、その結果を次の改善に繋げることが重要である。本事業を⼤いに活⽤していただき、各校におけるPDCAサイクルの充実に向けて歩みを進めていただきたい。また、申請校及び選定校の設問の回答状況等のデータや分析結果を公表しており、各⼤学等の取組状況の相対化・⾒える化に役⽴てていただきたい。
選定された⼤学等にあっては、本事業への選定をゴールではなく次なる改⾰に向けた通過点として取組の深化を追求することを期待する。選定されなかった⼤学等にあっても、本事業に応募すべく取り組んだ成果を基盤として、更なる改⾰・改善を⽬指して取組を進めていただきたい。特に、プラットフォーム型を構成する⼤学等においては、選定の有無にかかわらず、プラットフォームとして成果が出る取組を期待したい。これらの⼤学改⾰の取組の質の向上とともに、本事業を活⽤して得られた具体的な成果・効果については、積極的に社会に対して発信していくよう努⼒していただきたい。

⽂部科学省及び⽇本私⽴学校振興・共済事業団への期待

○ 来年度の制度設計に当たっては、
・ 各⼤学等の継続的な改⾰を促す観点からは、予告なく従来のタイプを⼀新するような組み換えとならないよう配慮すること
・ 当該年度内における各⼤学等の改⾰を促す観点からも、申請までに⼗分な準備が可能となるよう、各タイプの趣旨や選定⽅法について早期に周知すること。
・ より多くの⼤学等からの申請・改⾰を促す観点から、選定⽅法や設問について⼯夫すること。
本事業による各⼤学等の改⾰の成果の定着と深化を促すとともに、その成果が社会に対して発信されるよう適切なフォローアップを⾏うこと
○ 国費の配分⽅法として疑念を持たれることがないよう、調査票に記載された取組の実施状況について、理事⻑名による回答内容及び根拠資料のチェックリストの提出義務化により学校法⼈として責任を持った内容であることを担保するとともに、選定前の根拠資料の確認や選定後の現地調査等を通じたチェックを⾏うこと。

各コメントを通して、
・改革総合支援事業は一定の成果を上げている!
・次年度以降も継続したい

というメッセージが各所に散りばめられた委員長所見となりました。

本日は、選定状況とともに公表されている「私立大学等改革総合支援事業委員会 委員長所見」に基づいて、今年度の改革総合支援事業の状況を確認しました。

昨年度に引き続き、私立大学等改革総合支援事業に採択されることが一種の大学ブランディングとなっている側面もあるため、補助金獲得の観点だけではなく、広報的な側面からも重要な事業と言えます。
もちろん、不採択の大学は改革が進んでいないかと問われると決してそのようなことはないと思いますが、本事業への採択の有無が「大学力」を測るための重要な指標になっていることは間違いないありません。
調査項目を達成するためには組織レベルでの改革が求められることになりますが、一つひとつ、改革を推し進めていきたいところです。

ここあ
ここあ

私立大学等改革総合支援事業を通して、各大学の教学改革がより一層進みますように!

以上、お読みいただきありがとうございました!

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