大学設置基準について解説します!

基礎知識編
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こんにちは、ここあです。

本日は改正前の大学設置基準について、解説していきます!
大学設置基準の2022年10月改正に関する記事はこちらをご覧ください!

徹底解説!大学設置基準(2022年10月施行)の改正概要! | 地方私大若手職員のステップアップブログ

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大学設置基準とは

大学設置基準とは、大学を設置するために必要な最低の基準を定めた省令であり、教員組織、教員の資格、収容定員、教育課程、校地・校舎等の施設設備、事務組織等について具体的に定めたものです。
大学はこの省令で定める設置基準より低下した状態にならないようにすることはもとより、その水準の向上を図ることに努めなければならないとされています。

ここあ
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大学の質を担保するための最低限の基準が大学設置基準なんだね!

押さえておきたいポイント

大学設置基準の中で、押さえておきたいポイントは次のとおりです。

単位

日本では、授業科目を「単位」と呼ばれる学修時間数に区分して修得していく単位制が導入されています。1単位の授業科目を45時間の学修を標準とされていますが、講義や演習は15~30時間で1単位実験や実習、実技は30~45時間で1単位とします。
単位制は、「教室での授業」と「授業の事前事後の学習」を合わせて単位を授与することが前提とされているため、学生には教室外における自主的な学習を行うことが求められています。
なお、コロナ禍であっても、単位の取得に必要な学修時間は変更されていません。

ここあ
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英語や第二外国語などの授業で取得できる単位が1単位だったのは、語学の授業が「実技」科目だからなんだね!

卒業要件

卒業するためには、大学に4年以上在学し、124単位以上を修得する必要があります。
例外としては、
 医学部・歯学部:6年以上、188単位以上
 薬学部(薬剤師免許取得可):6年以上、186単位以上
 ※薬学部(薬剤師免許取得不可)の場合は4年制
 獣医学部:6年以上、182単位以上
とされています。

授業期間

各授業科目の授業は、10週または15週を単位として行うものとされていますが、教育上必要があり、十分な教育効果をあげることができると認められる場合は例外が認められています。

ここあ
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本学では、全14回の100分授業が導入されています。

シラバス

大学は学生に対して授業の方法及び内容並びに一年間の授業の計画をあらかじめ明示することが義務付けられており、多くの大学がシラバスという形で、授業内容や成績基準、年間授業計画等を事前に公表しています。

GPA制度

学修評価と卒業認定に当たっては客観性や厳格性を担保する必要あり、大学は学生に対して基準を明示し、その基準に従って適切に判断することが求められています。
GAP(Grade Point Average)とは、授業科目ごとの成績評価を段階に分けて評価し、評価ごとに点数化した平均値のことです。ほとんどの大学でGAP制度が導入されており、奨学金や授業料減免対象者の選定基準、学修指導、留学の申込要件等に利用されています。

CAP制度

CAP制とは、一度に履修できる授業数(単位数)の上限のことです。大学は学生が適切に授業科目を履修するため、卒業の要件として学生が修得すべき単位数について、履修科目として登録することができる単位数の上限を定めるよう努めなければならないとされています。学生が1学期に授業科目を履修しすぎると、予習や復習といった学習時間が足りなくなってしまうことから、CAP制を用いることで履修の上限を決めているというわけです。

FD・SDの義務化

FD(ファカルティ・ディベロップメント)とは、教員が授業内容や授業法を改善・向上させるための組織的な取組みのことです。いわゆる、教員向けの研修会のことを指します。FDとして、教員相互の授業参観の実施や授業法法についての研究会、新任教員のための研究会などが行われています。

SD(スタッフ・ディベロップメント)とは、大学教職員が必要な知識技能を習得し、その能力や資質を向上させるための研修のことです。いわゆる、職員向けの研修会のことを指しますが、ここでいう「職員」には、事務局職員の他、教授等の教員、学長等の大学執行部、技術職員等も含まれています。

ここあ
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私立大学連盟等が実施している各種研修もSDの一環です。

専任教員数

教員は1つの大学に限り専任教員となるものとされています。また、専任教員数が多ければ多いほど大学の教育の質が担保されますが、その分給与負担が大きくなるため、経営的に厳しい大学ほど専任教員数を減らして非常勤講師等に頼る傾向にあります。教育の質を維持するためにも、各学部に置かなければならない専任教員数を大学設置基準の別表第一及び別表第二で定めています。

おわりに

本日は、大学設置基準の概要についてお伝えいたしました。

大学設置基準は、あくまでも大学の質を担保するための最低限の基準です。優秀な人材を社会に送り出すためには、設置基準に定められている以上のことを各大学が実施していくことは必要不可欠です。
教職員一人ひとりが自身の使命を理解し、日々の業務に取り組んでいきたいですね。

以上、お読みいただきありがとうございました!

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